遺言の「作成」をお手伝いすることは昔から平均すると年に10件ほどかと思います。公正証書でも自筆証書でもその中で遺言執行者を決めていることがほとんどです。
遺言執行者が就職を承諾した場合、相続財産目録の作成や相続人への交付(民法1010条)をするほか、遺言に基づいて判断に迷う執行も前に進めていくことが求められます。最近では、不動産の名義変更だけではなく、遺言執行者に指定された相続人や税理士など専門職の方と相続財産承継業務委託契約を締結し、不動産登記だけでなく相続財産全体を管理する代理人として、書類を作成したり金融機関はじめ関係各所と調整することが多くなりました。
金融機関も複雑な戸籍などを司法書士や弁護士などの専門職がそろえることへの期待もありますし、コロナ予防の観点もあって、面談の予約が必要となったり本部の担当者とリモートで手続きを進めることなど、経験があると明らかにスムーズであるとも感じられます。また、遺言執行によって他の相続人からの遺留分減殺請求を受けることもありますので、ニーズが高まっているようです。
相続が開始して、「さて、何から手を付けてよいか…」というご相談は、お近くの司法書士にお尋ねになってください。従来から不動産取引の双方から委任されて中立に働くことに長けた司法書士は、バランスをとりながらこまごましたご案内から、必要に応じて税理士や弁護士などとの連携も含め、遺言執行者や相続人に必要なことを、ちょうどよく結びつけられるようにお手伝いいたします。